【サッカー】J1、J2契約率は“0%”トライアウトの厳しい現実と、それでもアピールする91人の選手たち
【サッカー】J1、J2契約率は“0%”トライアウトの厳しい現実と、それでもアピールする91人の選手たち
転載元: https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1702566704/
「情熱は、生で見てもらわないと伝わらない。自分を必要としてくれるところがあれば」。J1神戸や札幌などで活躍し、今季限りでJ2長崎を退団したFW都倉賢は言葉に力を込めた。11対11の紅白戦で2得点をマーク。「死ぬまで現役を続けたい。そういう意味でも参加できてよかった」と光る汗を拭った。
トライアウトには厳しい現実がある。選手会によると、昨年度は96人が参加し、Jクラブへの移籍を勝ち取ったのは24人。確率は25%であり、24人全員がJ3クラブだった。J1、J2クラブとの契約率は“0%”。引退を決めたのは11人で、その他はJFL、地域リーグ、シンガポールなどの海外リーグと契約した。
今年度のトライアウトは3部制で行われ、各回に30人前後が参加。7対7のミニゲームを行った後、11対11の試合形式を行った。選手は番号が書かれたビブスを着用し、スタンドから視線を注ぐスカウト陣にアピールした。
選手会によると、スカウトや代理人などの視察者は両日ともに100人を超えた。視察者には、選手自身が記入した「希望ポジション」「アピールポイント」「コンタクト先」などがまとめられた資料が配布されている。
あるJクラブのスカウトは「選手の能力は出場記録を見ればある程度わかる。ここでは人間性だったり、サッカーに取り組む姿勢を見ている」と語り、試合前後における選手同士のコミュニケーションに注視していることを明かした。
地域リーグの強化部スタッフは「Jクラブにとってのトライアウトは“当たれば儲けもの”かもしれないが、私たちは即戦力を補強する心意気です」と目を光らせた。
紅白戦終了後、選手は自身の名前が書かれたシールを胸に貼り、更衣室を出る。スカウトなど関係者が待ち受けるエリアを抜け、帰路につく。
声をかけられる選手もいる。名刺を渡され、そのまま面談が始まるケースもある。一方で、誰にも声をかけられることなく、出口までたどり着いてしまう選手もいる。トライアウトには、様々な“現実”が交錯する。(岡島 智哉)