“打てる捕手”は絶滅したのか? 専任での規定到達ゼロ…コンバートで覚醒続々
“打てる捕手”は絶滅したのか? 専任での規定到達ゼロ…コンバートで覚醒続々
転載元: https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1700538136/
捕手を本職としながら、打力を生かして他のポジションでも出場する選手は少なくない。小笠原道大氏や和田一浩氏ら、コンバートにより大打者へ成長した選手いる。今回は今季のパ・リーグで捕手登録されていた選手のうち、捕手以外のポジションで出場した選手を紹介する。
今季のパ・リーグで捕手以外の守備位置に就いた、捕手登録の選手は10人。そのうちの5選手が、日本ハム勢だった。新庄剛志監督はこの2シーズンで多くの選手に複数ポジションを経験させた。捕手登録の選手も同様だった。アリエル・マルティネスは捕手で31試合、一塁で41試合に出場。複数ポジションをこなしながら15本塁打、OPS.763を記録した。
郡司裕也捕手は6月に中日からトレードで加入し、捕手、一塁、二塁、外野の4ポジションを経験。55試合で3本塁打、打率.254をマークした。田宮裕涼捕手はシーズン最終盤に出場機会を得て、10試合で2本塁打。捕手で6試合、外野で3試合に出場し、打率.258、OPS.742をマークした。郡拓也捕手は捕手では1軍出場がなかったが、一塁、二塁、三塁で守備に就き、打率.267だった。打率.260を記録した清水優心選手も捕手に加えて一塁で1試合に出場している。
楽天・安田悠馬捕手は捕手で45試合、一塁手1試合に出場した。打率.218、OPS.641に終わった打撃面でパンチ力を発揮できれば、捕手以外でも出番を増やせる可能性はありそうだ。ロッテ・佐藤都志也捕手は2022年に一塁で50試合に出場したが、今季は捕手としての成長を示した。打率.218、OPS.616だった打撃を改善し、来季はより活躍の場を増やせるかに注目だ。
オリ頓宮は捕手による出場が1試合…一塁を主戦場に首位打者を獲得
移籍1年目のオリックス・森友哉捕手は、若月健矢捕手の存在もあって捕手とDHを兼任。長期離脱からの復帰後は右翼でも出場した。打率.294、18本塁打、OPS.893でリーグ優勝に大きく貢献した。頓宮裕真捕手は2022年に捕手で34試合に出場したが、2023年は1試合のみ。主戦場を一塁に移し、打率.307で自身初タイトルとなる首位打者を獲得した。16本塁打、OPS.862をマークし、捕手からのコンバートが大きな成功を収めた最新のケースといえる。
ソフトバンク・谷川原健太捕手は捕手で20試合、外野で31試合に出場。抜群の強肩、代走でも起用されるほどの脚力に加えて、外野の全ポジション全てをこなす器用さも備え、クライマックスシリーズでも全3試合で途中出場した。
2023年のパ・リーグで、捕手登録で規定打席に到達した選手は森、頓宮、マルティネス。指名打者を含む捕手以外で試合に出ることも少なくなかっただけに、捕手のみの出場で規定打席に到達した選手はいなかった。ソフトバンクの甲斐拓也捕手は139試合で420打席に立つなど、正捕手として年間を通じてプレーした唯一の選手だった。一方で、全6球団が30試合以上で守備に就いた捕手を2人以上擁していた点も、時代の変化を端的に示しているといえる。
現代野球では捕手を併用しながら長いシーズンを戦い抜く起用法が確立されつつある。森と若月を擁するオリックスが2人をうまく共存させながらリーグ優勝した事実は、様々な意味で現代野球を象徴するものだろう。