中日梅津、ダルビッシュに「165キロ投げれる」と褒められる
中日梅津、ダルビッシュに「165キロ投げれる」と褒められる
転載元: https://nova.5ch.net/test/read.cgi/livegalileo/1703752483/
◇梅津晃大編
「何を見てきたのか、知りたいです」。3月24日。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)から帰国した直後の記者にメッセージが届いた。差出人は梅津晃大投手。翌日、焼き肉を食べながら大会期間中のドジャース・大谷やパドレス・ダルビッシュの姿について話した。簡単に言えば、なりたい自分に対してぶれない姿勢を持つ2人の話。約2時間後、「やっぱりそうですよね」と力強くうなずいた右腕の表情は何かに納得したようにすっきりしていた。
ポテンシャル。この言葉に苦しんできた。ルーキーで4勝を挙げ、将来を嘱望された右腕。しかし、周囲の期待値に現実が追いつかない。「精いっぱいやって今の自分かと思うと…」。つくりあげられた理想像とのギャップに悩むうち、目先の結果を欲しがるようになった。直球で押すスタイルを封印して、ツーシームやカットボール主体の投球にモデルチェンジすることを考えたこともある。プロの世界で生き残るため、苦悩の日々を送っていた。
転機は昨年3月。右肘の痛みが限界を迎えて、右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(トミー・ジョン手術)に踏み切った。手術直前に読んだのは同じ手術を経験したダルビッシュのブログだ。「手術が終われば何かが終わり、また新たなものが始まる」。1年以上に及ぶリハビリ期間も新しい自分に生まれ変わるチャンスと考えられた。
「復帰した1球目に野球人生で最高の球を投げる」。立てた目標のために手は尽くした。キャッチボールの様子を毎日動画に収めた。腕のしなりを求めて横手からのスナップスローを2週間続けた期間もある。全てはなりたい自分を体現するために必要な過程。リハビリの期間中、梅津の表情は明るかった。
1軍復帰戦は8月31日のヤクルト戦(バンテリンドームナゴヤ)。初球に152キロの直球を投じた。「真っすぐで押せてよかった」。自己最速の155キロも計測した。その夜、梅津のスマートフォンに1件のメッセージが届いた。「155キロ、すごいね!」。送り主はダルビッシュだった。御礼の言葉を返してしばらくすると、再びスマホの画面が光った。
「梅津くんの骨格と筋肉なら165キロ投げられるよ」
体中が震えた。「わざわざ試合も見てくださっていたなんて…。誰にでも言ってもらえるものではない。本当に光栄です」。1年半に及ぶリハビリ期間と、この先の自分に自信が持てた。
来季は中8日、中10日と間隔を空けながらの起用が基本線。シーズン完走が最低ノルマとなる。「真っすぐだけで打者を抑えられるのが究極」。シーズン後、右腕が語った理想像だ。思い描く完成形はまだまだ先。なりたい姿は自分で決める。
https://news.yahoo.co.jp/articles/adc3a160a11a273aee20cddea003575408910b82