掛布雅之氏が殿堂入り ファンを魅了したミスタータイガース 昨年はわずか2票届かず
掛布雅之氏が殿堂入り ファンを魅了したミスタータイガース 昨年はわずか2票届かず
転載元: https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1737013876/
掛布雅之氏が殿堂入り ファンを魅了したミスタータイガースの信念「いつユニホームを脱いでも後悔しないように」テスト入団から一流へ
野球殿堂博物館の表彰委員会は16日、今年の野球殿堂入りのメンバーを発表。競技者表彰のエキスパート表彰では阪神の4番を務め、1985年の日本一に大きく貢献した掛布雅之氏が選ばれた。昨年はわずか2票届かなかったが、今年は75%以上の票を得ての選出となった。
23年に殿堂入りしたランディ・バース氏に続き、ミスタータイガースも野球殿堂に名を連ねることが決まった。1985年、4番として全試合出場を果たし、「伝説のバックスクリーン3連発」をマークするなどファンを魅了。40本塁打を放ってチームのリーグ制覇、日本一に貢献し、吉田義男監督に優勝の要因を「頼もしい4番バッターがいたから」と言わしめたほどだ。
掛布氏は入団テストを経て1973年ドラフト6位で入団。自ら「お試しで取ったような選手だった」と語っていた。だからこそ「いつユニホームを脱いでも後悔しないように」という思いが一流バッターへ成長する原動力となった。
田淵幸一が西武へトレード移籍して以降、4番を託された。人気球団の主砲として、ファンの期待が高かったと同時に、結果が出なければ容赦ない批判が自らに飛んできた。
「4番のプレッシャーは4番を打った者にしかわからない」。プロ野球選手として決して大きいとは言えない体格ながらも、重圧をはねのけてチームの勝利につながる一打、そして本塁打を量産した。
通算349本塁打、1019打点。これだけの数字を積み重ねてきた掛布氏にはあるポリシーがあった。「4番は相手ピッチャーのウイニングショットを打つ」-。チームが大きくリードを許している中、4番が打つべきボールは相手の勝負球と決めていた。
失投を捉えただけでは相手にダメージを与えることはできない。逆にウイニングショットをあえて狙って打つことで投手の動揺を誘い、以降、打線がつながるというシーンを何度も経験してきた。
それが打線の中心に座る選手の責任。掛布氏は指導者復帰後、若手選手に対して「責任」という言葉をよく使っていた。応援してくれるファンがいる。
打つところを見たいと思って球場に足を運んでくれる人がいる。「プロ野球選手はそれに応える義務がある。そのための努力を惜しんではいけない」。阪神の4番というポジションを経験したからこその言葉だ。
「ミスタータイガース」の称号は誰にでも与えられるわけではない。まったく期待されていなかったとも言えるドラフト6位から一流打者へ駆け上がり、グラウンドでの背番号31の姿がファンを魅了した。そのストーリーと、プロ野球選手としてのあるべき姿はきっと、後世まで語り継がれていく。