なぜ阪神は岡田監督に続投要請をしなかったのか?
なぜ阪神は岡田監督に続投要請をしなかったのか?
転載元: https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1728009878/
(略)
なぜ阪神は続投要請を行わなかったのか。
理由は2つある。
ひとつは、11月で67歳になる岡田監督の年齢からくる健康問題を考慮したこと。10年ぶりに現場復帰した岡田監督は、“浪人時代”にゴルフで鍛えていたが「そりゃ使う体力は全然ちゃうでえ」とキャンプでは朝から晩まで長時間グラウンドに立ち、試合になれば極度の緊張やストレスの中で戦う環境の変化に苦しんでいた。
特に「遠征の移動が疲れる」と言っていた。喫煙の影響か、咳も止まらず、今季は移動日やデーゲーム後に飲みにいく機会もガクンと減った。ベンチに入るとアドレナリンが駆け巡り、シャンとするが、そのスイッチが切れるとガクンと疲労に襲われた。
そしてもうひとつは、事実上阪急が選定した岡田監督はそもそも球団の「意中の人ではなかった」という阪神の悪しき伝統と呼べる極めて政治的な理由だ。
話は2022年にさかのぼる。
沖縄キャンプ前日に、当時の監督だった矢野燿大氏が、その年限りで辞任する意向を公表するという異例の事態が起きた。球団は時間をかけて次期監督の選定作業に入り、当時、2軍監督で現在ヘッドコーチを務める平田勝男氏(65)に白羽の矢を立て、その次の監督候補として藤川氏を同時に入閣させるという数年先を見据えた“セット”で新体制を構築する考えを固めた。だが、この構想に阪急阪神ホールディングスの最高トップである角和夫CEOが“物言い”をつけた。
村上ファンドの企業買収にさらされた阪神電鉄は2006年にライバル会社である阪急電鉄に“ホワイトナイト”を頼み、企業統合した。阪急阪神ホールディングスとなっても、阪神タイガースの経営運営は、阪神電鉄と球団に任されていたが、監督人事やFA補強など高額な出費が必要な案件ついては、阪急阪神ホールディングスの取締役会の承認、つまり阪急の合意をとりつけなければならなかった。ただこれまでは阪神タイガースのオーナー、すなわち阪神電鉄のトップの決定に阪急が意見を挟むことはほぼなかった。しかし2005年以来、17年間も優勝から遠ざかっている状況を憂う角CEOが初めて「その構想では勝てない」と、そのプランを差し戻して、具体的に2005年の優勝監督である岡田氏の監督就任を提案した。
阪神はそのトップダウンを受け入れ、15年ぶりの岡田監督の再登板が決まり、リーグ優勝、日本一の感動をチームとファンにもたらした。角CEOは阪急前社長の杉山氏をオーナーとして送り込むなど岡田監督のバックアップ体制まで固めた。角CEOの強権発動は、結果的に大成功に終わったわけだが、今夏になって「私たちが口を出すのはこの2年まで。次の監督人事は阪神電鉄と球団が決めること」という姿勢を明らかにするようになった。
岡田監督の契約は2年。3年目以降の監督人事は阪神に一任したのだ。
劇団員の不慮の死による宝塚歌劇団の問題で揺れ、角CEOが来季限りの退任を株主総会で、明言せねばならない状況に追い詰められるなど、阪神タイガースの問題にパワーを注げないという状況も影響したと考えられる。
阪神タイガースにおける阪神と阪急のパワーバランスが変わり、再び監督の人事権を取り戻した阪神は、もはや阪急に忖度することなく、契約社会のルールに従って2年契約を遵守する道を選び、続投という特別なオプションは採択しなかった。